日文89(3)


「ち、违うのっ!私は………」
爱菜の言叶に、佐仓井さんが激しく首を振る。
「私は杀すつもりなんてなかったのっ」
「白々しい。そりゃ、みんなそう言うでしょうよ」
「お愿い、前田くん………信じて………」
「っ………」
肩越しに振り返り、上目遣いに见上げられると、とくん、と鼓动が高鸣った。
(くそっ、やっぱり可爱いな………)
実を言えば爱菜と付き合う前、俺は佐仓井さんに惚れていた。
告白をした事もある。
残念ながら振られてしまい、爱菜と付き合うようになってからは佐仓井さんに対する恋心を思い出す事もなくなっていたのだが。
あられもない姿で、自分に缒るような眼差しを向けてくる佐仓井さんの弱弱しい姿を见ると、心の奥深くに仕舞い込んでいたはずの感情を思い出してしまいそうになる。

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「あんたが二人を杀した事は、キル情报でクラスメイト全员が知ってんのよ。现に―――」
爱菜が、佐仓井さんの荷物の中から何かを取り出す。
それは、黒光りする黒い块。
「こんな拳铳なんか持ち歩いてるじゃない」
「それはっ…でも违うの……私は……」
「待てよ、爱菜。そんな一方的に责めちゃ、いくら何でも可哀想だ。それに、キル情报によれば斎藤は毒杀、镝木は绞杀だった。铳杀じゃない」
「なんで庇うのよっ!」
爱菜がヒステリックに声を上げ、拳铳を佐仓井さんに向ける。
「そんな女、别にここで杀したっていいんじゃない!?」
「落ち着け、爱菜!」
「私は冷静よっ!」
そう言い张る爱菜は、どう见ても冷静ではなかった。
「荷物の中に食料は?」
「な、ないけど………」
「嵩张るからどこかに隠してるんだろう?」 本文来自nwxs5.cc
俺の问いに、佐仓井さんがこくん、と小さく颔く。
「ここで杀しちゃったら、食料の场所も分からなくなるぞ。それに、铳声なんてでかい音、目立ちまくりだ」
「そ、そうだけど………」
「それに决めただろ。こんなことになっちゃったけど、俺たちは沢村の言う通り、杀し合いなんかしないって」
「けど………!」
「人を杀して生き残って、それでも普通に生きていけるなんて俺は思わない。俺は生き残って、お前と一绪に生きたいんだ」
「っ………そ、そんな事言って……本当は佐仓井さんを守りたいだけでしょ!」
きっ、と眦を钓り上げて、拳铳の铳口を今度は俺に向ける。
「っ、爱菜………」
恋人に拳铳を向けられるというのは、思った以上に冲撃だった。
「私、知ってるんだからね!凌ちゃんが昔、佐仓井さんの事好きだったのっ!」
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