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日文65545(48)


「は!お任せくださいませ!」
「では、うふふ?」

 彼女は羽をたたみ人间の姿に変わると、『ヒーロー组织の総司令官』として相応しい慈悲深い笑みを浮かべながら部屋を出ていった。
 残されたナーティアは怪人ながらも、その恐ろしさにしばらく身动きが取れなかった。


一媚杀


 女の手は血で汚れていた。しかしそのことを疎ましくも厌わしくも思ったことはない。それが女の定め、彼女の宿命であり、生业なのだから。
 彼女、霞の里、雾生一派のくノ一?お瑶は冷たくなった骸を前にして、自分は用意した桶の水で手を清めながら、ひと心地つきつつも、油断なく周囲に気を张っていた。桶の水はみるみる赤く染まっていく。白鱼のような指先からは雫が垂れ、それを懐纸で拭った。
 骸は咽喉を掻き切られ、血潮を当たりに撒き散らして息絶えていた。
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 ここは深夜の奥座敷、虫の音しか物音はない。行灯の光も仄かで、月明りの方が强いくらいである。畳も袄にも障子にも、血痕は点々と付着し、雅な室内と相俟って异様な地狱絵図であった。そんな中、お瑶は何ごともないかのように身を清めている。
 お瑶も、また男であった骸も、一糸まとわぬ姿であった。
 畳の上には布団が敷かれ、骸はその上に仰向けに横たわっている。目は闭じてあるが口元には唾液が一筋线を引き、だらしがない。筋肉质の身体だが、青白く见えるのは激しい流血の为ばかりではないだろう。
 寝具は乱れていた。そして畳の上には、男ものの浴衣に、女ものの着物、帯、襦袢などが打ち捨てられるように置かれている。
 风が庭の木々を揺らしていた。
(ふふ、随分派手にやってしまったわ。でもこれが注文なのだから仕方ないわね)
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 身体を拭いながら、お瑶は思った。
 女は见事な肉体の持ち主であった。流れるような黒髪が、なだらかな肩や背に张り付いている。そして张りのある円い豊乳の先にはつんと乳首が勃っていた。腰は括れ、腹は引き缔まり、尻は上向いている。腿から足までは长く、美しい。そんな裸身を、死者の前に惜しげもなく晒しているのだ。见る者が见たら、劣情を抑えきれず、情欲の虏となってしまうであろう。それは女とて同じことかも知れない。
 しかし、お瑶がその裸身を晒しているのは、死者の前だからではない。この骸と成り果てた男が生きている时、つまり数刻前から、彼女はその魅惑の肉体を晒していたのだ。无论、骸が骸となる前、生者だった顷にである。
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